ドメイン代の勘定科目は?更新・移管・複数年払いの仕訳とインボイス【2026年】

ドメイン代の勘定科目は?更新・移管・複数年払いの仕訳とインボイス【2026年】AI・SaaS経費

こんにちは、日々会社と個人事業主での事業を行ったり来たりしている新米社長です。

ドメインの更新料は毎年数千円ほどの小さな支出ですが、ドメイン会社を移したときの移管費用や、3年分をまとめて払ったとき、ドル建てで請求されたときなど、仕訳で手が止まる場面がいくつかあります。私も会社のドメインとメールは、お名前.comで管理しています。

この記事の要点

  • ドメイン代は通信費か支払手数料で処理することが多く、毎年同じ科目にそろえておけば十分です
  • 移管費用の中身は、移管先での1年分の更新料です。更新料と同じ科目で処理します
  • 2年分・3年分をまとめて払ったら、今期の分だけを費用にし、残りは前払費用にします。1年以内の分を払った期に費用にできる特例は、2年分以上には使えません
  • ドル建ての請求は、カード明細に載った円の金額で記帳します
  • Cloudflareのドメイン登録サービスは.jp・.co.jpを扱っていません。移管する前に、60日・45日のルールとメールの設定を確認します

ドメイン代に使う勘定科目

ドメイン代の勘定科目を使い方で決める図。会社サイト・事業用メールは通信費、管理サービスの利用料としてなら支払手数料、広告・集客用のサイトは広告宣伝費。取得料・更新料・移管費用は毎年同じ科目にそろえ、移管費用の中身は移管先での1年分の更新料

ドメイン代(取得料・更新料・移管費用)は、事業用のホームページやメールで使っている場合、通信費または支払手数料で処理することが多いです。

ホームページを広告・集客の中心として使っている場合は広告宣伝費、サイト制作や運営費用をまとめて管理している場合は支払手数料にする考え方もあります。

使い方候補になる勘定科目考え方
会社サイトや事業用メールのドメイン通信費ネット・メール関連の維持費として管理する
ドメイン管理サービスの更新料支払手数料サービス利用料として他のSaaS費用と合わせる
広告用・集客用サイトのドメイン広告宣伝費販売促進や集客のための費用として管理する

勘定科目に絶対の正解があるわけではなく、同じ性質の支出を毎年同じ科目で処理することが大切です。ホームページ関連費を通信費でまとめるなら、翌年以降のドメイン更新料も、移管費用も通信費にしておくと、あとで見返したときに迷いません。

ドメイン代を経費にする前に、そのドメインが事業に使われていることを説明できるか確認します。

  • 会社や個人事業の公式サイトで使っている
  • 問い合わせ用メールアドレスのドメインとして使っている
  • 商品、サービス、ブログ、採用ページなどの集客に使っている

反対に、趣味サイトや個人用メールのために取得したドメインは、事業の経費にはなりません。事業用と私用が混ざる場合は、利用実態に応じて按分します。

ドメイン取得と同時にWordPressサイトも作る場合は、ドメイン単体ではなくサーバー契約、独自SSL、メール、バックアップまでまとめて確認します。たとえばConoHa WINGや高速・安定・無料SSL付!月額500円からWordPressが使えるさくらのレンタルサーバ、エックスサーバーのように、ドメインとサイト運営を一緒に考えやすいサービスも比較対象になります。

取得・更新・移管の仕訳例

事業用ドメインの更新料3,000円をクレジットカードで支払った場合は、たとえば次のように処理します。

借方金額貸方金額
通信費3,000未払金3,000

ドメイン管理会社へのサービス利用料として支払手数料で管理する場合は、借方を支払手数料にします。後日、クレジットカードの代金が普通預金から引き落とされたときは、未払金を消し込みます。

借方金額貸方金額
未払金3,000普通預金3,000

新しくドメインを取得したときも、同じ仕訳で構いません。個人事業主が個人のカードで払った場合は、貸方を事業主借にします。法人で社長個人が立て替えた場合は、未払金や役員借入金など、会社の処理方針に合わせて整理します。

移管費用は「1年分の更新料」として処理する

ドメインを別の会社へ移す(移管する)と、移管先に移管費用を払います。.comや.netなどのドメインでは、移管すると今の有効期限に1年が足される決まりになっていて、移管費用はその1年分の料金です。Cloudflareの案内でも、移管の料金には1年分の延長が含まれると説明されています。

中身は更新料と同じなので、更新料と同じ科目で処理します。たとえば移管費用がカード明細で1,800円だった場合は、次のようになります。

借方金額貸方金額
通信費1,800未払金1,800

前のドメイン会社に払った更新料の残りの期間は、移管しても消えずに引き継がれます。すでに費用にしている更新料を取り消す仕訳は要りません。

2年分・3年分をまとめて払ったとき

ドメインは、更新するときに2年分・3年分・10年分とまとめて払えることがあります。このとき、決算日の時点でまだ始まっていない期間の分は、原則としてその期の費用になりません。前払費用として資産に計上し、その期間が来た期に費用へ振り替えます。

1年以内の分なら、払った期に費用にできる

国税庁の通達には、短期の前払費用の取扱いがあります(法人は法人税基本通達2-2-14、個人事業主は所得税基本通達37-30の2)。一定の契約に基づいて継続的にサービスを受けるための費用で、支払った日から1年以内に提供を受ける分を払い、毎年続けて払った期(年)の費用にしているなら、それが認められるという内容です。

1年ごとに更新しているドメイン代は、決算の直前に払っても、毎年同じやり方で処理していれば、払った期の費用にできます。

一方、2年分・3年分をまとめて払った場合は、支払った日から1年を超える分を含むため、この扱いはそのままでは使えません。今期の分だけを費用にして、残りは前払費用(決算日の翌日から1年を超える分は長期前払費用)にします。

3年分4,500円を期の初日に払ったときの図。1期目は通信費1,500円、前払費用1,500円、長期前払費用1,500円。2期目は通信費1,500円と前払費用1,500円。3期目は通信費1,500円

たとえば、期の初日に3年分4,500円をカードで払った場合は、次のように処理します。

借方金額貸方金額
通信費1,500未払金4,500
前払費用1,500
長期前払費用1,500

翌期は前払費用1,500円を通信費に振り替え、長期前払費用1,500円を前払費用に移します。3期目に残りの1,500円を通信費に振り替えれば終わりです。期の途中で払った場合は、月割りで今期の分を計算します。

金額が小さくても、税務上はこの考え方が基本です。数千円のドメイン代を毎年振り替えるのが手間なら、1年ごとの更新にしておくのも一つのやり方です。判断に迷うときは、顧問の税理士に確認してください。

ドル建ての請求を円で記帳する

Cloudflareのように海外のサービスで払うと、請求書はドル、カード明細は円になります。会計ソフトには、カード明細に載った円の金額で入力します。カード会社の海外事務手数料が上乗せされている場合も、明細の金額をそのまま使えば、引き落とし額と帳簿が合います。

保存しておくのは、ドルの金額がわかる請求書(または支払履歴)と、円の金額がわかるカード明細の両方です。カード利用日と明細確定日で円の金額がずれる場合の考え方は、ドル建てSaaS利用料の仕訳にまとめています。

主なドメイン会社のインボイス登録番号

消費税の申告で仕入税額控除を受けるには、登録番号が書かれた請求書などを保存しておく必要があります。2026年10月時点で、各社の公式ヘルプと国税庁の公表サイトで確かめた登録番号は次のとおりです。

サービス請求元登録番号確認したページ
お名前.comGMOインターネット株式会社T1011001032872(2025年1月1日から)お名前.comヘルプ
さくらのドメインさくらインターネット株式会社T3120001079845さくらのサポート情報
CloudflareCloudflare, Inc.T2700150123404(令和5年10月1日登録)国税庁の公表サイト

お名前.comは、2024年12月31日までの請求書ではT6011001029526が使われていました。領収書はPDFで発行されず、領収メールが代わりになります。請求書(適格請求書)はお名前.com Naviから発行できます。くわしくはお名前メールで法人用メールアドレスを作る記事の追記に書いています。

国税庁の公表サイトにはCloudflare, Inc.の登録が載っていますが、実際の請求書に登録番号や消費税がどう書かれるかは、請求書で確かめてください。海外の会社への支払いの消費税区分は、Cloudflareの利用料の勘定科目でも触れています。

Cloudflareへ移管する前のチェックリスト

ドメインを移す先として、上乗せのない原価でドメインを登録・更新できるCloudflareのドメイン登録サービス(Cloudflare Registrar)を選ぶ人もいます。移管の手続きはCloudflareの公式ドキュメントに沿って進めますが、その前に確かめておきたい点があります。

2026年10月、GMOインターネットは「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスを公表しました。FX(外国為替証拠金取引)の自動売買などに使う、Windowsの仮想デスクトップ(VPS)のサービスで、10月21日から全プランのサーバーを止めています(10月27日時点)。公式のお知らせで対象とされているのはこのサービスで、ドメインやお名前メールについては触れられていません。最新の状況は、お名前.comのお知らせ(第1報)とGMOインターネットグループのお知らせ(第11報)で確認できます。

Cloudflareへ移管する前に確かめる日数の図。取得・前回の移管・登録者情報の変更から60日は移管できない。期限が切れたあとに更新した場合は45日以内に移管すると1年が足されないので45日以上空ける。手続きはDNSの切り替え、Active、認証コードの入力、承認メールの順
  • .jp・.co.jpは扱っていない:2026年10月時点のCloudflareの対応ドメイン一覧に、.jpや.co.jpはありません。日本語のドメインも扱っていません。.comや.netなどは対応しています
  • 取得や前回の移管から60日たっているか:取得してから、または前回の移管から60日たたないと移管できません。登録者の名前・組織名・メールアドレスを変えた後も、60日は移管できなくなります
  • 更新した直後ではないか:期限が切れたあとに更新して、その45日以内に移管すると、移管で足されるはずの1年が付きません。更新料と移管費用を二重に払うことになるので、更新から45日以上空けます
  • 先にDNSをCloudflareに切り替える:Cloudflareで登録するドメインは、CloudflareのDNS(ネームサーバー)を使う決まりです。ネームサーバーを切り替えて、Cloudflareの画面で「Active」になってから移管を申し込みます。DNSSECを設定している場合は、切り替える前に解除しておきます
  • メールの設定を移し忘れない:お名前メールなど別のサービスのメールを使い続けるなら、MXレコードやSPF(TXTレコード)など、メールに使う設定をCloudflareのDNSに漏れなく入れます。Cloudflareはよく使われる設定を自動で読み込みますが、すべてを拾えるとは限りません
  • 移管ロックの解除と認証コード:今のドメイン会社でロックを外し、認証コード(AuthCode)を取得して、Cloudflareの画面に入力します。その後、今のドメイン会社から届く確認メールで承認します
  • 返金はない:Cloudflareは原価で販売しているため、登録・更新・移管の料金は返金されません

ドメイン会社はそのままで、DNSだけCloudflareで管理する使い方もできます。お名前メールを使いながらウェブサイトを別のサービスで公開する方法はお名前メールだけを利用しながら、別途ウェブサイトも公開する方法、Cloudflareとさくらのメールボックスを組み合わせる方法はCloudflare+さくらのメールボックスで月88円の独自ドメインメールに書いています。

経費処理で残しておきたい資料

ドメイン代を経費にする場合は、支払った事実だけでなく、そのドメインが事業用であることも後から説明できるようにしておきます。

  • 領収メール、請求書、クレジットカード明細
  • ドメイン名、契約期間、更新日、支払先がわかる画面
  • 移管した場合は、移管完了のメールと移管後の有効期限がわかる画面
  • そのドメインを使っているサイトやメールアドレスのメモ
  • 私用と兼用している場合は按分割合の根拠

ドメイン代は毎年続く支出なので、更新メールや管理画面のスクリーンショットを年ごとのフォルダに入れておくと、決算のときに探さずに済みます。証憑の保存は、領収書の保管義務や経費になる領収書の記事も参考になります。

よくある質問

移管費用は支払手数料にしたほうがいい?

移管費用の中身は1年分の更新料なので、ふだん更新料を処理している科目と同じにします。通信費で処理しているなら、移管費用も通信費で問題ありません。

移管すると、前のドメイン会社に払った分は損になる?

.comや.netなどは、移管しても残りの期間に1年が足されるので、払った分が消えるわけではありません。ただし、期限が切れたあとに更新して45日以内に移管すると、1年が足されないことがあります。.ukなど一部の国別ドメインは、移管で1年が足されない仕組みです。

3年分まとめて払ったら、全額をその年の経費にできる?

できません。支払った日から1年を超える分を含むため、今期の分だけを費用にし、残りは前払費用・長期前払費用にします。

Cloudflareに払った分の消費税はどう扱う?

Cloudflare, Inc.は国税庁の公表サイトに登録番号が載っています。仕入税額控除を受けるかどうかは、実際の請求書の請求元・登録番号・消費税の記載を見て判断します。免税事業者や簡易課税の場合は扱いが変わるので、迷ったら税理士に確認してください。

.jpや.co.jpのドメインもCloudflareに移せる?

2026年10月時点では、Cloudflareのドメイン登録サービスは.jp・.co.jpを扱っていません。ドメイン会社はそのままにして、DNSだけをCloudflareで管理することはできます。

参考にした情報

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