ボウモア12年の商品ページで最初に大きく出てくるのは、「レモンとはちみつ」です。アイラモルトの説明としては、ずいぶん明るい組み合わせに見えます。
私が普段飲んでいるのは、アードベッグやラフロイグのような煙の強い銘柄です。だからこそ、同じアイラ島で柑橘と甘さを先頭に掲げる12年が新鮮に見えました。まだ飲んだことはないのですが、公式情報を読んでいくと、煙が弱いというより、煙の出番を後ろへずらした銘柄のようです。
「レモンとはちみつ」を名乗るアイラモルト
ボウモア蒸溜所は1779年創業、アイラ島で最初に正式な免許を得た蒸溜所とされています。島の中央部、ロッホ・インダール湾に面する町にあり、12年はその定番を代表するボトルです。700ml、40%で、2026年7月に確認した国内希望小売価格は税別6,600円でした。
麦芽のフェノール値は20〜25ppm。私がよく飲むアードベッグの50ppmと比べると半分以下で、公式も煙を「柔らかい」と表現しています(ppmという数字の読み方はオクトモア16.1の記事にまとめました)。
煙はしんがりに回るらしい
公式ノートを順番に読むと、香りは絞ったレモンの明るさとヒースを思わせるはちみつ、そして柔らかく土っぽい煙。味は温かな果実とダークチョコレート。余韻になって、豊かで甘い煙が長く残るとあります。
薬品やタールから始まるラフロイグの自己紹介とはずいぶん違って、煙にしんがりを任せる構成です。同じ島でここまで語り口が変わるのかというのが、調べていて一番面白かったところです。
二種類の樽と、海抜0メートルの貯蔵庫
12年には、アメリカンオークのバーボン樽と、ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽が使われています。国内の製法解説では、蒸溜所全体の主体はバーボン樽70%、シェリー樽30%。12年そのものの厳密な配合とは断定できませんが、レモンとはちみつにダークチョコレートのコクが重なる背景は、このあたりにありそうです。
蒸溜所は今も、床に大麦を広げて人の手ですき返すフロアモルティングを続けています。さらに、海に面した第1貯蔵庫(No.1 Vaults)は海抜0メートルと説明されていて、海の空気と湿潤な環境での熟成を味づくりの一部にしています。立地が塩味の証明になるわけではありませんが、18世紀の免許と海際の貯蔵庫が今も現役というのは、それだけで見に行きたくなる話です。
買うなら「どっちの12年か」で迷いそう
調べていて一つ引っかかったのが、ボウモアには新しいシェリーオークコレクションの「12年」もあることです。通常のボウモア12年のつもりでシェリー樽後熟の別商品を手に取りそうで、買うときは商品名をよく見る必要がありそうです。
国内公式がすすめる飲み方はロックでした。氷で温度が下がったとき、レモンとはちみつが先に残るのか、柔らかな煙が長く続くのか。飲むときの宿題として覚えておきます。
煙に慣れた口にどう感じるか試したい
強い煙のハイボールに慣れた口に、レモンとはちみつから始まる12年はどう感じられるのか。物足りないのか、それとも締めにちゃんと煙が来るのか。
公式ノートを読むかぎり答えは後者のようですが、これは自分の舌で確かめたいところです。煙の強さを競わないアイラモルトとして、次に買う一本の候補に挙がっています。
お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。体質や体調に合わせ、無理のない量で楽しんでください。妊娠中・授乳期の飲酒は避けてください。
