こんにちは、日々会社と個人事業主での事業を行ったり来たりしている新米社長です。
この記事では、一人会社の設立前後に発生する創立費・開業費を、どの支出をどちらに分けるか、会計ソフトへどう入力するかという実務目線で整理します。
法人化直後は、登記、定款、印鑑、名刺、Webサイト、会計ソフト、税理士相談などの支出が一気に出ます。あとから領収書を探すと大変なので、最初に一覧化しておくのがおすすめです。
創立費と開業費を分ける
法人税法施行令では、創立費は設立登記のための登録免許税など法人の設立のために支出する費用、開業費は法人設立後から事業開始までの開業準備のために特別に支出する費用として整理されています。
ざっくり言うと、会社を作るための支出は創立費、会社ができた後に事業を始める準備のための支出は開業費として分けて考えます。
| 区分 | 主な支出例 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 創立費 | 登録免許税、定款認証、設立手続きの専門家報酬、設立前の印鑑作成など | 会社を設立するために通常必要な支出か |
| 開業費 | 開業準備中の広告、名刺、Webサイト、調査費、会計ソフト初期設定など | 設立後、事業開始までの準備支出か |
| 通常の経費 | 事業開始後の毎月の家賃、通信費、サーバー代、会計ソフト利用料など | 開業後の通常運転で発生する支出か |
| 固定資産など | PC、スマホ、机、椅子、設備など | 金額や内容によって資産計上や少額資産の判断が必要か |
設立前後の支出チェックリスト
一人会社では、支払った日、支払った人、支出内容、事業開始との関係をメモしておくと、創立費・開業費・通常経費の判断がしやすくなります。
| 支出 | 候補になる区分 | 保存するもの |
|---|---|---|
| 登録免許税・定款認証 | 創立費 | 領収書、登記申請関連書類、定款 |
| 会社印・印鑑証明・登記簿取得 | 創立費または開業準備関連 | 領収書、取得目的のメモ |
| 名刺・会社案内・開業前広告 | 開業費 | 領収書、制作物、掲載内容 |
| Webサイト・ドメイン・サーバー | 開業費または通信費など | 請求書、契約期間、用途メモ |
| 会計ソフト・請求書ソフト | 開業費または通信費など | 請求書、利用開始日、対象期間 |
| PC・スマホ・備品 | 固定資産、消耗品費など | 領収書、使用開始日、事業利用メモ |
| 税理士・司法書士・社労士への相談料 | 創立費、開業費、支払報酬など | 請求書、相談内容、源泉徴収の要否メモ |
仕訳と会計ソフト入力の考え方
設立前に社長個人が支払った費用は、会社が負担するものとして整理する場合、相手科目に役員借入金を使うことがあります。支払った人と費用の内容を分けて考えるのがポイントです。
| 場面 | 借方 | 貸方 | メモ |
|---|---|---|---|
| 設立登記の登録免許税を社長が立て替えた | 創立費 | 役員借入金 | 登記関連の支出として資料を保存 |
| 設立後、開業準備の名刺代を社長が払った | 開業費 | 役員借入金 | 開業準備との関係をメモ |
| 開業後の会計ソフト月額を法人カードで払った | 通信費など | 未払金 | 利用期間と請求書を保存 |
| PCなど金額の大きい備品を買った | 工具器具備品など | 未払金・役員借入金 | 少額資産や減価償却の判断を確認 |
会計ソフトへ入れるときは、法人口座・法人カード・会計ソフトの整え方とあわせて、設立前後の支出だけ別メモにしておくと入力が楽です。
残しておく資料と注意点
創立費や開業費は、支出した事実だけでなく、会社設立や開業準備との関係を説明できることが大切です。レシートやカード明細だけでなく、何のために使ったかが分かる資料も残します。
- 領収書、請求書、カード明細、振込明細を保存する
- 設立前に社長が払ったものは、支払日と会社負担にする理由をメモする
- 固定資産になりそうな備品は、購入日、金額、使用開始日を残す
- 税理士・司法書士・社労士への支払いは、請求内容と源泉徴収の要否を確認する
- 開業後の通常経費と、開業準備のための特別な支出を混ぜない
相談・初期設定につなげる
創立費・開業費は、金額が大きくなりやすく、決算時にまとめて確認すると手間がかかります。設立直後に、法人口座、法人カード、会計ソフト、請求書、証憑保存の流れまで決めておくと、後から直す量を減らせます。
| 次に決めること | 目的 | 読む記事 |
|---|---|---|
| 法人口座・法人カード | 支払方法を会社用に分ける | 法人口座・法人カード・会計ソフトの整え方 |
| 会計ソフト | 創立費・開業費・通常経費を入力できる状態にする | 一人会社の会計ソフト選び |
| 税理士相談 | 償却方法や決算での扱いを確認する | 税理士にいつ頼む? |
| 初年度の予定 | 届出、給与、社会保険、決算までを見通す | 法人化初年度のスケジュール |
参考にした公式情報
創立費・開業費などの繰延資産に関する部分は、法人税法施行令と国税庁の法人税基本通達を確認しています。個別の償却方法や決算処理は、最新の公式情報や税理士にも確認してください。
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