備品と消耗品費の違い|金額基準と仕訳例

簿記学習 簿記3級

備品と消耗品費は、どちらも事業で使う物品を購入したときに出てくる勘定科目です。

ただし、備品は資産の科目、消耗品費は費用の科目です。購入したものを長く使うのか、短期間で使い切るのか、金額はいくらかによって処理が変わります。

このページでは、備品と消耗品費の違いを、金額基準と仕訳例で整理します。

備品と消耗品費の違い

備品は、机、椅子、パソコン、カメラなど、事業で長く使う物品を資産として管理するときに使います。貸借対照表に載る資産の科目です。

消耗品費は、文房具、コピー用紙、少額の周辺機器など、短期間で使うものや少額の物品を費用として処理するときに使います。損益計算書に載る費用の科目です。

項目備品消耗品費
分類資産費用
主な対象長く使う物品短期間で使う物品、少額の物品
処理資産計上し、必要に応じて減価償却購入時に費用処理
机、椅子、PC、カメラ文房具、コピー用紙、少額の備品

勘定科目としての詳しい説明は、備品消耗品費の記事も確認してください。

金額基準の考え方

税務上は、使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のものは、少額の減価償却資産として扱われる場合があります。国税庁は、10万円未満や20万円未満の判定について、通常1単位として取引される単位で見ると説明しています。

また、10万円以上20万円未満の減価償却資産は、一括償却資産として3年間で均等償却を選択できる場合があります。

2026年5月時点では、中小企業庁が中小企業者等の少額減価償却資産の特例として、一定の要件のもと40万円未満の減価償却資産を取得時に全額損金算入できる制度を案内しています。適用期限や要件は変わることがあるため、実際に使う場合は最新の公的情報や税理士への確認が必要です。

取得価額など考え方
使用可能期間が1年未満消耗品費などで費用処理できる場合がある
10万円未満少額の減価償却資産として費用処理できる場合がある
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年間で均等償却できる場合がある
一定の中小企業者等の40万円未満少額減価償却資産の特例を使える場合がある

参考: 国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」中小企業庁「少額減価償却資産の特例」

判断に迷いやすい支出

備品か消耗品費かで迷いやすいのは、金額が小さくても長く使うもの、または金額が大きくてもすぐ使い切るものです。

  • パソコン、スマホ、カメラなどは、金額によって資産計上や減価償却を検討する
  • マウス、キーボード、文房具などの少額品は、消耗品費で処理しやすい
  • ソフトウェアは、金額や利用期間によって消耗品費、通信費、ソフトウェア資産などに分かれる
  • 事業利用と私用が混ざるものは、事業利用分を説明できるようにする

個別の例は、パソコン購入時の勘定科目iPhoneは経費になる?カメラの勘定科目も参考になります。

仕訳例

コピー用紙1,100円を現金で購入した場合は、消耗品費として処理します。

借方金額貸方金額
消耗品費1,100現金1,100

事業用の机80,000円を普通預金で購入し、少額の物品として費用処理する場合は、消耗品費として処理できます。

借方金額貸方金額
消耗品費80,000普通預金80,000

事業用の機材250,000円を備品として資産計上する場合は、購入時に備品で処理します。

借方金額貸方金額
備品250,000普通預金250,000

その後、決算で減価償却を行う場合は、減価償却の処理を確認します。

実務で確認するポイント

備品と消耗品費で迷ったら、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  • 事業で使うものか
  • 使用可能期間は1年未満か、1年以上か
  • 1単位あたりの取得価額はいくらか
  • 会社の経理方針として、同じ支出を継続して同じ科目で処理できるか
  • 少額減価償却資産の特例などを使う場合、要件と申告手続きを満たせるか

勘定科目を広く確認したい場合は、経費の勘定科目一覧勘定科目一覧もあわせて確認してください。

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